2022年10月13日、ソニーとホンダの合弁で誕生したモビリティ事業を行う新会社、「ソニー・ホンダモビリティ株式会社(以下、SHM)」の設立発表会見が開催された。そこでデビューが予定される注目の新型EV(電気自動車)の概要がわかったのでお伝えしよう。それはかなりゴージャスな仕立てとなり、ドイツのプレミアムEVなどとは異なる新たな付加価値を持ったものになりそうだ。ソニーとホンダの“本気”が感じられる会見だった。(タイトル写真は“ソニー VISION-S 01”。両社の提携前にソニーが単独で開発したコンセプトカー)

ハイエンドEVの勢力図を一変させるポテンシャルあり

ソニーとホンダが共同でEVを作ったらどうなるのか。日本人はもちろん、世界中の人たちが注目していると言ってもいいこの合弁事業の中身が一部明らかになった。

会見の冒頭ではホンダ技研工業の専務でもあるソニー・ホンダモビリティ株式会社(SHM)の水野泰秀会長兼CEOがマイクを握り、2022年3月の戦略的提携に向けた基本合意から、6月の合弁契約締結に至る経緯を語った。

そしてまず明らかになったのは「高付加価値型EVとモビリティ向けサービスの提供を合わせて事業化することでモビリティ業界における変革をリードしていく」ということだった。

それには「ソフトウェアを中心とした新しい技術の投入や他社とのバートナーシップ構築が必要で、2社の知見だけでなく共感してもらえるカスタマー、パートナー、クリエイターの知を結集できる場の醸成に取り組む」という。これはあたかもゲーム機やスマートフォンの世界のようだ。

また、販売はオンラインを中心に行い、顧客とダイレクトにつながり続けるネットワークを構築、商品開発への参加も呼びかけて販売後もパーソナライズされた体験を提供し続けるとのこと。

そして、第一弾となるモデルは2025年前半から先行受注を開始して同年中に発売を予定。最初にデリバリーするのは北米で2026年春、その後、日本では2026年後半にデリバリーとなる。生産はホンダの北米工場が予定されている。

画像: 水野泰秀会長兼CEO(右)と川西泉社長兼COO(左)。ソニーとホンダの組み合わせには世界が注目している。

水野泰秀会長兼CEO(右)と川西泉社長兼COO(左)。ソニーとホンダの組み合わせには世界が注目している。

続いてソニーのモビリティ部門を統括するSHMの川西泉社長兼COO(ソニーグループ常務)は、高付加価値型EVのコンセプトは3つの“A”に集約できると説明する。

まず「Autonomy 進化する自律性」で、具体的には“特定条件下での自動運転機能レベル3、市街地などの条件下で運転支援機能レベル2+”に取り組むという。要は高速道路などでは乗員は運転から解放され様々なエンタテインメントを楽しめるということだ。

次に「Augmentation 身体・時空間の拡張」だが、これは“クラウドで提供するサービスと連携しパーソナルな車内環境を実現、ユーザーに運転以外の楽しみを提供する”というもの。具体的にはリアルとバーチャルの世界を融合していくことで移動空間をエンタテインメント空間、感動空間へと拡張。メタバースなどデジタルをフルに活用してあたらなエンタテインメントの可能性も追求する。

最後は「Affinity 人との協調、社会との共生」で、これは“カスタマーだけでなく、自動車産業におけるパートナー、新たなエンタテインメントの創出にチャレンジするクリエイターなどとオープンで自由な環境を作っていく”というものだ。

そして総じて言えば、「双方向性のあるモビリティ社会と新しいエンタテインメントの創出。車載ソフトウェアからクラウド上のソフトウェアまで一貫した統合的フレームワークを用い、モビリティを移動体験サービスと捉え、サービス全体のアーキテクチャを設計していく」ということになる。

2022年はEV元年、2025年頃からEVの大成長時代が始まる!

さらに会見後半の質疑でもいくつかの注目すべきことが明らかになった。まずEVとしての基本的な構造、ボディなどはなるべくホンダブランドのEVと共通なものを使うということ。調達や生産はホンダの考え方に準ずること。さらに北米、日本の次は欧州での販売を考えており、その後はグローバル展開を目指すことなどだ。

また、記者から「テスラと十分に戦えますか?」という質問があったが、「競合については発言を差し控えたいが、大事なのはソフトウェアの領域、いままでのEVはハードウェア中心だったが、この部分で戦えるようにしたい」と、川西社長の返答が自信ありげだったのが印象的だった。

今年、2022年が「EV元年」と言われるが、実はSHMからニューモデルが登場する2025、2026年はEV大成長期のスタート地点とも考えられている。それはなぜかと言うと、この時期に登場するEVから順次、現在のスマホのようなOSを持つ“電子プラットフォーム”を採用するようになると予想されるからだ。

画像: 両社の提携前にソニーが単独で開発した「ソニー VISION-S 01」のインテリア。

両社の提携前にソニーが単独で開発した「ソニー VISION-S 01」のインテリア。

現在、世界の自動車メーカーやアップルなどの新規参入を目指す有力企業が開発を進めているが、これらのモデルはこれまでのEVとはレベルが異なるモビリティとなる可能性が高いのだ。

そうした中で登場してくる、ソニーとホンダという日本代表する企業の知見を結集したSHMのニューモデルには、大いに期待ができるのではないだろうか。アップルカーか、SHMカーか、それともテスラか、はたまた既存の自動車メーカーによるプレミアムEVか。実に選び甲斐がある、そんな時代がもうすぐやってくる。

ゴルフ場への往復のあり方が変わってくるのも必然、行きはコースのバーチャル体験で準備、帰りは映像を見ながら当日のプレイの反省をする。そう遠くない時期にこれが現実になるはずだ。

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