歴代モデルもそうだったように、新型となったレクサスLXとトヨタ ランドクルーザーもアーキテクチャーやシステムといった個々の単位で見れば共通点は多い。しかしこの2台で走ってみると明らかに違うクルマだということがはっきりと見えてきた。(Motor Magazine2022年5月号より)

ついにプラットフォームを一新。大幅な軽量化も図られた

レクサスのフラッグシップSUVであるLXの、4代目となる新型が2022年1月に発売された。だが、CM放映やディーラー展示など、プロモーション展開の様相はあまり伝わってこない。理由はLXのウェブサイトを見ればわかる。アクセスするなり出てくるのは「納期目処に関するご案内」という項目だ。お詫びとともに記されたその時期は、場合によっては4年程度とされている。

「CMとは何ごとですか」という話にもなりかねないわけで、宣伝したくてもできないというわけだ。状況は2021年に発売された300系ランドクルーザーも同様だ。お察しの方もいるだろうが、この2台はメカニカルコンポーネンツの多くを共有している。

LXの歴史を振り返ると、そこには常に代々のランドクルーザーのトップレンジモデルが密接に関係している。1996年に登場した初代LX450は80系が、98年に登場した2代目LX470は100系が、そして07年に登場したLX570は200系がそれぞれベースとなっていた。それらのうち、LX470とLX570の後期モデルが日本でも販売された。そして4代目のLX600のベースとなるのは300系だ。

が、新しいLXは単なる300系の衣替えに非ずと開発陣は胸を張る。というのも、今回の300系は100系以来、約四半世紀ぶりにラダーフレームからの完全新規開発となる。この式年遷宮的なタイミングを活かして、プラットフォーム開発のスタート時から、LXがあることを前提にその要件を随所に織り込んだ設計がなされているという。

ちなみに300系の開発に当初から深く携わった横尾貴己主査は、並行してLXの開発も兼任し、現在はLXの専任主査となっている。双方の棲み分けは氏が設計レベルからしっかり監修してきているというわけだ。LXを試乗するにあたっては、この両車の何が同じで何が違うのかを知ることが必要だろう。それを知るために、2台のメカニカルなアウトラインをランドクルーザーの側から振り返ってみる。

ランドクルーザーのモデルチェンジの肝となるのは、前述したとおり、完全刷新したGA-Fプラットフォームを採用したことだ。ラダーフレーム部は設計の最適化や最新の溶接技術により軽量化を果たしながら従来より20%剛性強化されており、ボディ側はボンネットやドアパネルなどの開口部、そしてルーフにアルミ材を用いることで、前型比で約200kgという軽量化に大きく貢献している。また、パッケージ面ではエンジンのマウント位置を70㎜後方、28㎜下方化するとともに、フレーム形状の工夫による居住性やドライビングポジションの改善も実現した。

サスペンションは前ダブルウイッシュボーン、後トレーリングリンクすなわちリジッドアクスルを採用。200系と同じだが、フレームの新開発に伴いこちらも全面刷新された。トレッドは200系より25〜30㎜拡大したが、ホイールベースは2850㎜と同一だ。これはランドクルーザーの黄金比として80系から継承されている。

最低地上高も225㎜と300系と同じ。つまり、悪路走破性を数値化したランプブレークオーバーアングルも同じ25度となる。ちなみにアプローチアングルも32度と同じ。デパーチャアングルは26度と200系を1度だけ上回る。

ちなみにランドクルーザーのサスペンションは一部グレードに電子制御可変ダンパーを用いるも車高調整機能を持たない決め打ちとなるが、オフロードの走行性能を強化したGRスポーツには、E-KDSSを装備。これは岩場やモーグルセクションなど四輪のトラベルを最大化したい際に、スタビライザーをフリーにして伸縮の規制を解除するもので、副変速機をローモードとした際にのみ作動する完全悪路想定の仕組みだ。

一方、LXは同じコイルばねを用いながら、油圧アクチュエーターによる最大110㎜の車高調整がグレードを問わず可能となっている。乗り心地にも有利なエアサスペンションは信頼性や耐久性に配慮してあえて用いていない。両銘柄ともに、メカニズムにまつわるこだわりを先代から引き継ぎながらアップデートしたというわけだ。

搭載エンジンも完全刷新された。ガソリンエンジンはランドクルーザー、LXともに3.5L V6ツインターボとなる。型式はレクサスLSに搭載されるものと同じV35A-FTSだが、中身は骨格やムービングパーツなどをすべて専用設計とし、高効率エンジンの高速燃焼ならではの、低回転域における音と振動に対処している。また、エンジンマネジメントに加えて吸気、排気系のデザインも変更されており、トルク型に寄せられたエンジンをごく低回転域からコントローラブルに扱えるように性格が整えられている。

加えて、ランドクルーザーのみに用意されるのが完全新設計のディーゼルユニットだ。F33A-FTV型3.3L V6ツインターボは309psのピークパワーはともあれ、700Nmの大トルクを1600rpmの低回転域から発揮することが大きな特徴だ。悪路での粘り強さや低ミュー域での扱いやすさなど、クルマの本筋的な用途に見合うキャラクターが期待できるだろう。

トランスミッションはランドクルーザー、LXともに10速ATとなる。ちなみにランドクルーザーの同じグレードで燃費を比較すると、WLTCモードでガソリンが7.9kn/L、ディーゼルが9.7km/Lで、後者の方が2割強の省燃費ということになる。80Lの燃料タンク容量はLXも同一だ。

画像: レクサス LX600 “エグゼクティブ” (後)とトヨタ ランドクルーザー GRスポーツ。ベースは同じながら、明確な差別化が行われている。

レクサス LX600 “エグゼクティブ” (後)とトヨタ ランドクルーザー GRスポーツ。ベースは同じながら、明確な差別化が行われている。

This article is a sponsored article by
''.